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2017年2月8日水曜日

管理釣り場(2001年11月/新聞LF紙)

さて、バスワールド誌編が終わったので、別のを見てみます。契約形式上、転載できるのは書いたものすべて可能みたいですが、とりあえず休刊したものメインに進めてみます。
本当は同じエイ出版のトップ堂連載に行こうと思ってましたが、笑い要素が強いため、ルアー&フライニュース紙を。
 シーバスとバスがメインの新聞です。新聞なので、誌ではなく『紙』表記にしました。関東をメインにコンビニに販売網があり、ここに大きく紹介されることで売り上げが凄まじいことになったのを記憶しています。SIN-ZOベイトが初年度からとんでもないフィーバーを起こしたのも、その印税で会社を立ち上げられたのも、かなりこの紙面のおかげです。
以前も書きましたが、当時、管理釣り場のイメージが向上してきた過渡期でしたが、プロのトラウトアングラーは出入りしたがらず、なかなか目を引く記事がありませんでした。その頃管理釣り場のクランキングを紹介して好調だったワタクシに、執筆協力していたシーバス記事のついでに声がかかったみたいです。内容は大胆にしてフランク過ぎで、冗談と思って試した人たちが衝撃を受けまくったらしく、ある意味話題(笑)になりました。この時から管理釣り場でのルアーサイズのルールが厳しくなっていきます。また、ここから小さなコマ連載も始まりました。




管理釣り場で楽しもう
2001年11月記事

プロフィール:
小川健太郎
 SIN-ZOベイトのデザイン、365日連続釣行×2回(うちトラウトは100日)、池原のヤーガラ、バドなどでごく一部のマニアにだけ大いに知られる。大学では漁場学を専攻。通称オガケン。2月9日のバッシングバッシングショー東京で、SIN-ZOイベント予定。詳しくはhttp://●●●(当時のURL)にて。

リード
 冬至を迎え、日増しに気温が下がってくると管理釣り場の人気がヒートアップする。しかし、管理釣り場といっても河川型、ポンド(池)型など、さまざまな釣り場のタイプがあったり、魚種が多様化していたりと、ひとくちに攻略できないのが現状だ。そこで、今回は釣り場別、魚種別に管理釣り場の攻略法を紹介しよう。

◇管理釣り場のタイプ
 今回紹介するのは、トラウトの管理釣り場で2タイプ。一つは河川型で、流れのある川を利用したものだ。河川型の中にも渓流や本流、さらには細かく堰堤で区切ったものまであるが、基本的に流れがある釣り場は共通点が多いので一つにまとめてみる。もう一つは止水型で、池のような水の出入りが少ない釣り場である。このなかにはポンド(池)、レイクと呼ばれるものや、コンクリートで四方をかためたものなどがあるが、水が動かない釣り場としてひとくくりで考えてみよう。

●河川型の狙いメ
 流れのある釣り場は、慣れない方には取っ付きにくいかもしれないが、基本的にスレにくいので一日中楽しめる。はじめての人のためのコツは『深くなっているエリアをきっちりさぐる』ことである。速い流れの中や表層にも魚はいるが、これらは人間のほうが流れに慣れてから狙っても遅くない。流れが緩ければ3.5gまでの肉厚スプーン、流れが速くてスプーンが浮く場合、4cmクラスの『きっちり泳ぐ』ダイビングシャッドを用いる。いずれのルアーも、とりあえず底を狙う。朝、まだ暗いウチから釣りができる場合、白系の4〜5cmのミノーが有効だ。パニッシュ、チェイスミノー、ハンプバックミノーを使用しているが、リップが短いものなら、とりあえず深さがわからなくても根掛かりを恐れず投げられる。明るくなりはじめたら金色にルアーチェンジ、気温が上がりだしたらスプーンに切り替えていく。
・アタリ
 流れの中の魚は、わりとアタリがダイレクトに出るのでフックアップはしやすい。しっかりロッドでハリをかけて、巻きアワセで追いアワセするとよい。流れの速い場所では、流れに飲まれることを想定して、あらかじめ取込み位置を考えておいたほうが周りに迷惑をかけない。
・濁り
 濁りに関しては、工事などであまり強いニゴリがでると、pHが急変して魚が食わなくなり、お手上げになる。雨で濁った程度であればかなり期待したい。温度の急変さえなければ一日中釣れ続く可能性がある。

●止水型
 関東に多いのが、この止水型の釣り場である。基本的に、放流直後などは誰でも釣れるが、ピークを過ぎれば誰も釣れなくなってしまうという恐ろしいタイプの釣り場が多い。これは群れの習性がモロに出てしまうためで、好奇心旺盛なやつがハリに掛かってバレたりするだけでその場の他の魚に丸見えとなり、スレてしまうことが多いのだ。
 数を狙いたい人はプレッシャーが少ない放流直後の魚を、得意ルアーで乱獲してしまえばよいのだが、食わなくなったときが問題だ。通常こういった釣り場は水が動かないため、さまざまな温度が層をなしている。これによって一定のレンジを狙う重要性が出てくるのだ。持つべきルアーは表層、宙層、底層という、日や時間帯によって違うそれぞれの層を、『スローに、かつきっちり探ることのできるルアー』である。市販のルアーのほとんどが宙層、底層をキープできるので、このあたりはなんとでもなるが、表層をスローにキチンと狙えるものが以外と少ない。表層はミノーばかりで攻められ、すでにスレているので、こういうときには凧スプーン、ハスルアー1.8gなど、ヒラヒラさせられるルアーが効果的だ。
・アタリ
 渋くなると、アタリも取りづらくなる場合が多い。とにかくロッドを立て気味にしてラインを注意深く見ておくのがコツ。ラインが走ったらアワせてみたほうがよい。
・濁り
 雨の濁りなど、こういうエリアでの濁りは群れの魚が互いに見えなくなるため、プレッシャーが減り、釣れ続く要因になってくれる。ただ、温度の急変による濁りだけは水質も悪化している可能性があり、釣れない原因になるので注意。

◇魚種の釣り分け
 ニジマスがメインとなることが多い管理釣り場だが、最近は色々な魚種を放流する釣り場が増えてきた。これに伴い、魚の習性が違うため、釣り分けなどができるものがあるので紹介したいと思う。

●ブラウントラウト
 基本的に居着きタイプの魚で、魚の目線より上の白い色、目線より下の黒い色への偏食傾向が見られる。活動時間帯も暗いウチが活発で、日の出の時間にピークを迎える個体が多い。白くて丸いシャロークランクなどが効果的で、スーパーの袋などの切れ端でもよく釣れるくらい、とにかく白系が好きなように見える。

●イワナ
 日本で養殖されるものは数種類いるが、管理釣り場で放流されるイワナの品種は、高温でも多少耐久性があるようだ。特に温度の上昇時には一点でビシビシ高速トウィッチすると、耐え切れなくなって食ってくる。また、平らなクランクやウォブリング系のルアーなど、移動距離に対してよく腰を振るものを好む。習性が居着きであるために緑〜チャート、白のルアーを好む。

◇困ったときのウラワザ ベスト5
●釣れないときはデッドスロー
 どうしても釣れないときは、ミニミニクランクやブルブルとウォブリングするミノーを、いったん最大深度まで潜らせたあと、あえてブルブルするかしないかの限界の速度で巻いてみよう。もしくはスプーンを底にかするかかすらないかのスピードで、巻いてくる。どちらもアンテナのようにロッドを立てて巻くのがコツ。アタリはラインが走るので、ロッドが引き込まれる時にアワセて乗せるとよい。

●デカイのがイイ!
 20cm前後ばかりしか釣れなくて困ったときは、クランクベイトの出番だ。クランクは最近各社から出ているものでオッケイ。カラーがシビアに釣果に出るので色々用意すると楽しめると思う。押さえておきたいのは白、金、赤で、チャートや黒、マットグリーン、オレンジ、リアル系なども爆発する可能性がある。

●魚が見向きもしなくなったら
 朝10時を過ぎると、急に見向きもしなくなることがある。こういうときは7cm以上のクリアレッドの赤ミノーを試してもらいたい。大きいミノーに関しては、アクションの問題とカラーの問題が大きく出てくる。アクションは頭を支点にフラフラと泳ぐもの、カラーはゴーストレッドがスレたニジマスにはダントツである。この条件さえクリアすれば、なんと12.5cmのアイマコモモでも釣れる。オススメはチェックベイト7Sの赤。サンドペーパーを荒くかけるとホロが滲んで、水を吸ったアワビ貼りのように光る。注意したいのは、こういうルアーを投げると着水音が大きくなってしまうことである。他の人の視線もあるので、気になる人はコッソリ使ってみよう。(※現代では怒られる釣り場の方がほとんどです)

●エキスパートはゴマンといるが
 個人的な話だが、僕は『発見を楽しむ釣り』がメインなので、先述のような大型のルアーを投げることが多い。これではどうしても着水音が大きく、魚のサイズも大きくなってしまい、周囲に迷惑をかけてしまう。こういうときはシロウト丸出しのスタイルでもって堂々と投げるのがオススメ。基本は右投げ右巻き、竿尻を持ってリールを巻く場合もある。こういう方法だと多少騒々しくしてしまっても諦めてくれるし、親切に写真をとってくれたり、情報など教えてくれる場合まであるのでお得だ。さらに、常に身も心も初心者でいると、釣れた一匹の味わいもひとしお、なのである。

●根掛かりに困ったら
 管理釣り場は、水中にあるラインなどのゴミに引っかかることが多い。通常ルアーリトリーバーが活躍するが、届かない場合も多い。僕はショートジギングロッド、PE10号&メタルジグなどを利用して、根掛かった自分のルアー以外の見えているルアーも勝手に回収している。これは怒られる場所、時間帯などもあるので、とにかく慎重にやらなければならないが、ラインを回収して釣りをしやすくしたりできるうえに、拾ったルアーを使うので、無料で新しい発見ができたり、経済的にもおトクなウラワザなのである。

オガケン タックル
<河川型の釣り場>
ロッド:UFMウエダストリームトウィッチャーボロンTS-56UL
リール:リョービ ゼスターMX1000
ライン:クレハ リバージトラウト4Lb
ルアー:スカジットデザインズ ダイビングビートル
    スミス ピュア GOOカラー

<ポンド(池)型の釣り場>
ロッド:UFMウエダストリームスピンボロンSS-56EXL
リール:リョービ ゼスターMX1000
ライン:クレハ リバージエクスクール4Lb
ルアー:ラッキークラフト ベビークランク
    自作 SIN-ZOプラグ
    スカジットデザインズ 凧スプーン
    スミス ルナ

<7cm以上のミノー用>
ロッド:UFMウエダ スプリットショットスペシャルSSS-610S
リール:リョービ ゼスターMX2000
ライン:クレハ リバージソルト6Lb
ルアー:アイマ サスケ オヌマレッド
    スカジットデザインズ チェックベイト7S ゴーストレッド(サンドペーパー掛けバージョンとノーマルを必ず持っていく。)

※赤いルアーはフックは鉄製に換えて錆びさせてニオイをFe系にする。緑系のルアーはフックをブロンズ製にして研ぎなおし、錆を作ってニオイをCu系にする。スルメなどを同梱すると錆びが生じやすく、人間やタバコのニオイも隠せてお得。錆び始めが食いもよい。掛かりがわるい時だけ研ぐ。

2017年1月13日金曜日

日周性、信号(2001年12月BW誌)

2002年2月号に掲載された原稿です。

Academic LAKE Vol.3


◆総合的な知識編
 実際フィールドに立っていろいろ考えることほど、釣りに役に立つことはない。しかし、魚についての基礎的な知識や総合的な知識を身につけておくと、フィールド上で物事を考えるのにも非常に効率がよい。
 今回はルアーフィッシングによるゲームを組み立てる上でも、大切な要素となる様々な事象を考えてみることにしよう。

今月のメニュー

◎マヅメの原理を考える
朝夕に起こる、マヅメとはどういう仕組みになっているのだろうか。

◎日周性を見直す
夜行性、昼行性の常識を撃ち破ることで、シーズンパターンも再考できてしまう。

◎バスから見たルアーとは
ルアーについての常識を再検討する。果たしてバスは、ルアー全てをエサと思って食うのだろうか。

と、後半などほとんど今まで誰も触れたことのない内容で、猛反発を喰らうこと必至かもしれないが、今の業界で信仰されている魚の生態に、あえて一石を投じさせていただきたい。




◎マヅメの原理
 「釣りやすいのは朝マヅメ、夕マヅメ」と、昔からいわれるこのマヅメだが、実はその釣りやすさには簡単な仕組みがある。朝夕に変化するものといえばなんだろうか。まず『温度』、そして『日光の照射量』である。このうち、重要なのは日光のほうなのである。マヅメ、それは日光の照射量の急激な変化にともなう、生命活動の変化なのだ。

●変化はプランクトンから
 光量による生命活動の変化は、まず植物プランクトンに起こる。朝、光量が増すにつれて、植物プランクトンは夜間行っていた呼吸から、酸素を生産する光合成という動作を行うため、その停留層を変化させる。そのシステムはここでは省略するが、日光の当たりやすい上層部へと浮上する。これにともない、植物プランクトンを捕食する動物プランクトンが動くため、それらを捕食するエビや小魚も無防備に捕食行動を開始し、一時的に水中が賑やかになるのだ。夕マヅメも同様に、植物プランクトンの沈降など、停留層の変化にともない、動物プランクトンが動いてしまうため、これらを捕食するエビや小魚が無防備に動くことになる。バスなどの肉食魚を釣る場合、朝夕いづれの場合もキーは動物プランクトンやエビ、小魚が大きく無防備に動くことにあるのだが、植物プランクトンがその行動を誘発する原因になっているということを覚えていただきたい。

●魚の視界も変化する。
 じつは、釣りやすい理由がもう一つある。魚の目は人間に比べて、光の変化に対する順応に非常に時間が掛かる。(明るくなるに条件への適応を明順応、暗くなるにつれて光の感度をあげていくのを暗順応という)この、大きなタイムラグのため、朝は日光の照射量が安定するまで横の光に対してソフトに反射するもの(金、赤、オレンジ)に興味を示しやすい(ピカピカな銀は夜間と同じようにまだ恐怖信号の意味を持っている時間帯だ)。これに対して夕方はこれまで目で糸や仕掛け、ルアーを『見切って』きた魚も、『波(音、動き)』と『化学物質(匂い、味)』でしか周りの世界がわからなくなっている。日没前後の暗い時間帯は、パールホワイト系カラーで動きの強いルアー(大きめのスプーンなど)を魚の目線に持っていくと、捕食しやすいのかよく釣れる。

◎日周性
 簡単にいうと、夜行性、昼行性といったような、魚の一日周期の行動の考え方である。こういうことをハッキリというと一部の学者の方は怒るかもしれないが、『すべての魚が年中夜行性、昼行性のどちらかとは限らない』のだ。スズキの仲間のうち、居着き型のスズキ、そしてラージマウスバスに関しては、特にこういうことがいえる。それは『日照条件の変化にともなう日周行動性の変化』が起きる、ということである。つまり、一年を通じて、夜行性と昼行性がシフトするのである。具体的にいうと、日照時間がイーブンになる春分の日と秋分の日を境に活動性のピークが移り変わっていくということで、春分は朝、夏至は昼、秋分は夕、冬至はなんと夜中という具合に捕食活動のピークがくる、という話である。
 これを例えばこれまでの経験に当てはめていただきたい。ベテランの方ほど夏至の日中などには思い当たるのではないだろうか。よくバス釣りの教本にあるような『冬、バスは寝たようにじっとして…』という表記も、もしかすると本当に休んでいるだけで、(活発ではないにしろ)夜間活動しているかもしれない。
 実際、自然条件下の個人的な実験では、ある程度の群れで育つバスはおおよそ先ほど述べた暴論ともいえるタイムテーブルに近くなるし、単独でいる魚や大型の魚の一部では、全く逆のタイムテーブルになる個体もある。しかしながら、この日照時間の変化が捕食時間の移行へ繋がるということはほぼ間違いないと確信している。
 ※バスの場合、『春の朝』だけははっきりしたデータが出ないのだが、これは産卵活動によるものだと推測している。スズキに関してはおおよそこのタイムテーブル通りであった。

◎バスから見たルアーとは
●ルアーはエサではない
 マッチ・ザ・ベイトという考え方がすべてになってしまう、今のルアー業界はこれまたハッキリ言って迷走していると思う。例えばバスがザリガニを捕食しているときに、「ザリガニのような色」と言われる赤系カラーのクランクベイトを好んで食うだろうか。また食うのならグリーンチャートの同じクランクベイトより、本当にザリガニらしい赤のほうを好んで食うのだろうか。もっといえば、ザリガニそのものを投入すれば必ず食うのだろうか。そのザリガニにまったく似もしないルアーは食わないのだろうか。こう考えてみると、どれも食うし、どれも食わない、という究極の答えになってくる。
 ではカラーも動きもまったく釣果と関係ないのだろうか。それは絶対にない。『関係してくる』と、自信を持って言い切れる。これを言い切るには、姿や動きを似せたルアーで釣るのではなく、すべての肉食魚のなんらかの『反応にある普遍性』を、信号(サインあるいはシグナル)としてとらえることが大前提なのだ。そしてその信号をカラーとして、動きとして、ルアーから発して釣るからこそ、魚がルアーにバイトするのだ。驚くべきことに、じつは、ほとんどのルアーはエサの演出をしてはいない。この『信号』を発しているだけでつれてしまうのである。これは食うときの心拍数を測定すればエサとルアーの違いが簡単にわかるのだが、この話はまたの機会に。

●信号発信機であるルアー
 ルアーというものは、魚の捕食に対する信号を発信している発信機だ。これら信号の中には、『バスが食べているベイトを示す信号』や、『魚種のタイプ(居着き、回遊)によって違う、興奮を誘う信号』、『危険、安心を示す信号』などがある。信号の種類も『波(音、動き)』、『光(シルエット、色彩、反射、透過)』、『化学物質(匂い、味)』という様々な方向から考えることができる。これら信号を重ね合わせて、狙う魚に合った信号、いうなればマッチ・ザ・シグナルを少しでも一般のアングラーにも理解してもらうべきなのである。これが理解できれば他の釣りにもなんなく応用が効き、狙った魚に案外容易に近付けたりするのだ。
 では、信号にはどのようなものがあるのだろうか。これには簡単にチューンしたりできるものと、難しいものがある。簡単なものをあげるならばルアーの音、色、匂いであり、自分でコントロールするのに難しいものはルアーの動き、素材の色(透明度)、味などである。別表に信号の例を挙げてみるので参考にして欲しい。

●反射という言葉
 よく「反射食いってホントにあるの?」と聞かれることがある。僕は「ほとんどが反射です」と答えている。その理由はこうだ。魚がルアーにバイトするまでの順番を考えてみよう。まずバスの場合、本来捕食には聴覚で発見→アプローチ→視覚で認識→嗅覚で確認→攻撃またはバイト→味覚で最終確認→飲み込む、という行程がとられるべきである。べき、という言葉を用いたのは、この行程が大いに省略されている場合がほとんどだからだ。たとえば発見→認知→攻撃など、ルアーによく見られるような『確認抜き』の動作である。これを反射と呼んでいる。われわれ人間が夏、暑さのあまり冷蔵庫を開けて麦茶をとりだして飲み込んだらソウメンの汁だった、というのと同じものだ。つまり、いちいち確認していたらエサが逃げてしまう状況のときや、怒ったときに相手を確認なんてしてられっか、ということなのだ。もちろんニオイによる発見→捕食という場合もあるので確認という作業は「すべての感覚で感知した上での捕食決定を下す動作」と考えていただきたい。そして、これらを総合して考えると、キャスティークやSIN-ZOベイト、大型のベイト(この場合魚)を使ったムーチング(エサ釣り)のように、「食わないがバスがたくさんついてくる」という動作があるものは、すべてエサだと思って確認したがっている、ということが伺える。


図表、イラスト

◆タイムテーブル(●は暗期捕食型◎は明期捕食型、○はその移行時期を示す)

月/ピーク期(本来)の移行。ただしバスの場合、春期は産卵活動によりはっきりしない。
01月●深夜
02月●明け方
03月○日の出(春分)
04月◎早朝
05月◎朝
06月◎正午(夏至)
07月◎昼
08月◎夕方
09月○日没(秋分)
10月●夜
11月●夜中
12月●真夜中(冬至)


◆魚への信号の一例
(バスの場合、回遊はスモールマウスバスやフロリダバスの回遊時などを当てはめてみて下さい。)
・2k〜4kHzのパルス音(音):捕食を示す信号音。バイブレーションに鋭くトウィッチを入れたような音。
・10〜150Hzの持続性低周波(音):魚の遊泳を示す信号音、魚種により異なる。
・ローリング(動き):脊椎動物である魚の動きの信号となっているようだ。回遊系の魚に効く。
・ウォブリング(動き):頭を振るアクションがほとんどで、動きのわりに水を押す力がないため、無脊椎動物である虫の信号となっているようだ。居着きの魚に効く。
・バーチカルアクション(動き):上下運動。無脊椎動物の信号。居着きの魚に効く。
・ダートアクション(動き):水平方向のアクション。脊椎動物の信号。回遊の魚や魚を食べている魚に効く。
・スパイラルジャーク(動き):上昇時は小型の反応、フォール時は比較的大型の反応が得られる。メタルジグでは特に重要。スパイラルは脊椎動物の信号。水平フォールはエビ、魚の両方の信号を兼ねる。
・緑(色):安心色。警戒や緊張を解く信号。無脊椎動物に対して光(透過や反射)として使用すると婚姻の興奮を示す場合もある。
・赤(色):肉食魚自身の信号、および婚姻の信号となり、回遊系でなくとも興奮を示す場合もある。捕食時、自動的に距離をつかむ信号にもなる。
・オレンジ:警戒の信号。ただし小さければ攻撃の対象となる。
・緑の属性(色):虫、エビ、カニ、イカ、タコ、貝など無脊椎動物の信号。淡水と海水の混合、および有機物の混入時には黄緑〜チャート系へシフトする。居着きの魚に効く。
・赤の属性(色):脊椎動物である魚の信号。回遊系の魚に効く。汽水域や有機物混入時など、コーラルピンク(魚肉ソーセージのような色)〜白へシフトする。
・鉄(匂い):脊椎動物の血中成分を示す信号。回遊系の魚に効く。
・銅(匂い):無脊椎動物の血中成分を示す信号。居着きの魚やエビを食う魚に効く。

小川健太郎/24才。大阪府在住、水産学科で漁場学を学ぶ。株式会社フィッシュマン所属。365日連続釣行を2クール、色理論、池原ダムでのヤーガラ、バドなど、ごく一部のマニアの間だけでひっそりと知られる。SIN-ZOベイトを開発。

2017年1月11日水曜日

聴覚・初歩編(2001年11月BW誌)

アカデミックレイクになってからの2回目原稿。心がけたのは、専門用語をいかに減らしてわかりやすくするか、でした。専門用語が好きな人は論文がいいでしょうし、そうした資料はたくさんあります。ここではバスや魚の好きな若い層の人、をターゲットにしていた雑誌ですので、小難しい話のギリギリラインを要求されました。

20021月号掲載(200111月執筆)


魚の耳を知る。

聴覚の話・初歩編


魚がルアーを発見する順番は、まず音、波(最近よく波動と呼ばれている水圧変化のこと)を感知することが第一となる。色、姿の識別、味/匂いの判別はその次、となる場合がほとんどだ。バスはどうやって音を捉えてルアーを発見しているのだろうか。今回はそのメカニズムについて考える。

魚になって感じてみよう
 聴覚の話しをする前に、魚の感覚と人間の感覚の違いを先に説明することにしよう。魚は人間と違って水の中という、密度が833倍も高い空間の中にいる。この水という存在が感覚器官の大きな違いになっているのだ。わかりやすく考えると、人間の五感というものがある。これは触覚、聴覚、視覚、味覚、嗅覚という感覚で、この5つをそれぞれの器官で感知することによって身を守ったり、物を食べたり、と生活できるというわけだ。魚は水の存在のために、これらの感覚が3つしかない。というより、聴覚と触覚という『波(音から衝撃まで)の感知』、味覚と嗅覚という『化学物質の判別』をそれぞれ同じ器官で、あるいはそれぞれを同様の信号として感じ取っているのだ。
 『音=波』これを詳しく説明すると、よくルアーが「水を押す」といわれるようなウマイ表現があるが、この「水押し」は「波」である。この波を魚はかなり離れたところから感知することができる。また、手で魚をつかもうと近付けると、目隠しした魚でさえ簡単に逃げてしまう。これも波を側線といわれる器官で感知したものだ。人間でいえばどちらの場合も触覚に相当する感覚のはたらきだ。逆に「音」は人間でいう聴覚という感覚になるが、これも水中を伝わる『密度(周波数)の非常に高い波』であり、これを側線で感知するのはご存じのとおりだと思う。今回はこの、『音』について考えてみたい。水押しや波動の話はまたいずれ機会があれば。

音を聴くメカニズム
 側線は魚の体の横に点線のように伸びているのを見ることができる、あの、線のことである(図参照)。側線は一個一個を調べると袋状の穴になっており、袋の底に感覚毛が生えている。この穴の中に水の波が入ることによってこの毛が揺れ、水流や音を感知する。この他にも鼻のようなクボミや目の周りにも側線器官を持っている。また、水中を伝わる音はウキブクロ(鰾)の中で共振させ、内耳、そして脳へと伝えられる。こう行った仕組みを総合すると、バスは水平方向の真横からの音に対して特に敏感で、また、音源をハッキリつかみやすいのは前方である、と考えられる。つまりは人間と同じような感覚なのではないだろうか。

バスに聞こえる音
 通常、バスフィッシングでは、音を人間の耳で判断する場合が多い。工場での製作の段階でも同じで、せいぜい水槽の中で魚が反応するかどうかの実験しか行えないのが実情で、店頭で一般の人が「これは何Hzくらいの音だ。もうちょっと低いのがいいなあ」などと言っているとハッキリいって周りに人がいなくなるくらいアブナイヤツ扱いされてしまう(実話)。しかしながら、魚は音と波でルアーを発見するのだ。最低限の知識くらいは、こだわらないわけにはいくまい。
 バスに聞こえやすい音というのは個体差があるものの、通常3400Hzあたりを中心に、50Hz1500Hzあたりまでの周波数帯である。人間が20kHzまで聴こえることを考えるとかなり狭い範囲ということになるが、空気中と違い、水中ではこのくらいの音を感知することで十分生活できるのであろう。これ以上や以下の周波数の音は感じ取ることはできるが、判別などは難しいようで、脳波や心拍数に明確な影響はあらわれない。そのうえ、高周波が連続して発されると不快感を感じる個体も多い。
 ルアーの発する音は先述の魚の可聴周波数帯よりやや高めに作られていることが多い。しかし、やや高いシャラシャラした音が、連続して発されるルアーでは、魚はスレやすい。これは、あまり食性と関係ない音、痛い目にあった記憶、または群れのウチの最初に釣られるリーダー的存在(チャレンジャー)が危険信号を発したことなどへ結び付けられ、『学習』されてしまうのだ。これに対して低いゴトゴト系の音のするルアーだと常に生活に必要な音であるため、痛い記憶と結び付けられにくい(もちろん結び付けて学習される可能性は餌よりも大きい)。だいたいゴトゴト系のルアーで200600Hz、シャラシャラしたものは8002kHzとなる。

水中の音
 水中では音は非常に伝わりやすく、秒速約1500mと、なんと空気中(344m/s)の4.5倍の速さである。しかも、陸上では考えられないほど遠くまで伝わり、音も小さくなりにくい。このため、水中では流れ込みの音など、絶えず離れた場所の音が入り乱れていることになる。湖ならまだしも、川などは雑音のまっただ中となる。ただ、こういった石や水の音は低いのでだいたい100Hz以内におさまっている。この雑音を『環境雑音』と呼び、この雑音の中で同様の周波数の音を発しても魚にはマスクされていて聴き取れない。これを『マスキング』と呼んでいる。つまり川など環境雑音の多い場所での使用ルアーはある程度高い音のほうがアピールが強い、ということが言えるわけである。
 また、ブルーギルやニジマスなどの実験で、魚の大小に関わらず、遊泳時にだいたい25100Hz前後の周波数帯の音を発している。湖を回遊して小魚を探すタイプの魚はこういう音をたよりに餌を探すことも多いようだ。
 このほかには肉食の魚が水中で餌を吸い込むときには24kHzの「ジッ」「チャッ」という音が見られる。これらの音は、魚にとっては判別はできない範疇だと考えられるが、非常に短いパルス音であるため不快感は与えられない。このためこういう音が信号になって捕食が始まる、ということも考えられる。非常に高いシャラシャラ系の音のするルアーを、ほんのチョコッと鋭くトウィッチさせるような音だ。

でかいバスに効く音
 これまで自分なりに研究して苦労したことがある。それは個体差だ。人間にも当然見られるのだが、バスのような大型の肉食魚の場合は、大きくなればなるほど個体差が強く出てくるようで、一概にこの音がどう、という内容を断言できなくなってしまうのだ。自分が総合的に感じているのはその場で釣れているルアーより若干低い周波数をもつルアーが「そこにいる、でかいバスが食う音」を発しているように思える。このことについての詳しい話はまたの機会にしてみたい。とにかくバイブレーションやノイジーで中型が爆釣した時に、これらのサイズにかまうのが時間の無駄である、と感じられる方だけ試していただきたい。数はダントツ落ちるがバスのサイズがかなり上がるはずである。同じルアーで少し低い音のするルアーがあれば


小川健太郎/24才。大阪府在住、水産学科で漁場学を学ぶ。株式会社フィッシュマン所属。365日連続釣行を2クール、色理論、池原ダムでのヤーガラ、バドなど、ごく一部のマニアの間だけでひっそりと知られる。SIN-ZOベイトを開発。

キャプション

実験用のバス。バイオテレメトリーの手法を用いて、心拍数などを遠隔で測定できる小型発信機をつけている。

側線器官の略図。袋状になっていて、感覚毛が周波による水圧の変化を感知し、この信号が神経に伝達される。

2017年1月9日月曜日

ウィードの話(2001年10月BW誌)

 2001年の原稿です。最初は琵琶湖ウィード図鑑としての原稿でしたが、なぜか連載テイストになっていて、アカデミックレイクというタイトル付けられてました。当時は水草の情報が少なくて、大学に戻って資料を寄せることができる人に頼るしかなかったのです。
 海外に行った際もウィードの特性を利用してその場所の水流や水温を割り出すのに、当時の知識は活かされています。なぜなら、誰かが逃した魚や水のせいか、世界中の温帯の水中の植生は結構同じような構成だからです。


バスワールド12月号原稿 小川健太郎

琵琶湖とウィード(アカデミックレイク 1)

プロフィール
小川健太郎:水産学科で漁場学を学ぶ。株式会社フィッシュマン所属。365日連続釣行を2クール、色理論、池原ダムでのトップで60〜70アップを狙って釣る男として、ごく一部のマニアの間だけでひっそりと知られる。SIN-ZOベイトを開発。通称オガケン。

 ウイードの役割を簡単に説明するなら、魚にとってウイードは酸素の提供、水質、温度変化の緩衝をしてくれる存在である。小さな魚やエビは産卵から成長までこれら植物を利用し、バスなどの肉食魚もウイードに依存することによって棲みやすい環境を得ることができる。今回は琵琶湖に生えるウイードを中心にその狙い方のコツを考えてみよう。

◇ウイードが魚を教えてくれる
 ウイード。我々釣り人は漠然と水の中の水草をこう呼んでいる。そして、これらの中にはいくつもの種類があるにもかかわらず、その生態の違いに目を向ける人は少ない。「●●のウイードエリアで釣れた」という情報が漠然と入っても、何という種類の水草が生えているかまで気にする人はほとんどイナイ。しかし、実はウイードにはその種類に応じた育成環境というものがある。さらに、根を張る植物には移動手段がないために、そこから逃げない。ということは、「ココはいつも冷たい水が湧いている」などのように、じつは普遍的なピンスポット情報をそこに提示してくれている、というありがたい存在なのだ。これはもったいないことではないだろうか。あなたのルアーが拾ってきたその水草には、実は釣りに役立つ情報が詰まっているのかもしれない。

◎柔らかいウイード、硬いウイード
 以前、ウイードを調べていて、琵琶湖のプロガイドをされている藤木プロに話を聞いたことがある。話の内容は、「度重なる浚渫の濁りの影響で、pHが急変したり、日光が遮断されて、釣りやすい硬いウイード(カナダモ、エビモなど)が生長する前に、伸長効率が早い柔らかいウイード(フサモ、カボンバなど)が伸長してしまう。柔らかいやつは硬いウイードに被さってしまって、ラインやルアーに絡みやすい。このため例年釣れてた釣り場が釣りにくくなる。特にpHの急変や濁りに対してよく生えてくるのがトロロといわれるアオミドロで、これがあると特に魚がつきにくく、ルアーに絡むので釣りにならない。」といった内容であった。このとき釣れるエリアは浚渫の濁りを受けにくいエリアとなった。釣りをしながらウイードを見ているとこういう浚渫などのおよぼす自然の変化が見えてくるのだ。
◎小さな違いで釣果が変わる
 ウイードは、その種類の特徴を知っていることでその場の細かい情況を把握することができる。たとえば、硬くて釣りやすいカナダモの仲間で、よく見られるクロモ、コカナダモ、オオカナダモという種類があるが、一見見た目が同じこの3種の違いがわかってしまうと冬や夏、重要な手がかりをつかめることがある。例えばコカナダモは低水温に適しているため、夏でも低い温度のエリアによく生えている。つまりその付近に湧水や伏流水の可能性などを見い出すことができるのだ。そしてオオカナダモとコカナダモは常緑。つまりこれらのウイードを夏に見つけたエリアでは冬もウイードとして魚をストックしている可能性がある、という読みができてしまうのだ。
◎ウイードの密生を見つける
 単純に釣れたウイードを見てその種類がわかったところで、適水温などを決めつけるのは大変危険である。たまたま掛かったコカナダモを見て「ココは湧水が…」と粘っても、実際水の底にはほんの少しパラパラと生えているだけで湧水などなかったりするのだ。ある程度ビッシリ生えていないようではそこの環境を推測することはできない。どのようなことを手がかりに密生具合を突き止めればよいのだろう。茎のあるウイードならだいたいの想像ができるのでぜひ頭に入れておくとよいと思う。まず、ルアーがただ拾った浮遊ウイードは考えないほうがよい。根掛かりから上がってきたときに付いているものが信用できるウイードとなる。つぎに、このウイードの茎を見る。茎につく葉のパターンや茎の太さで密生しているのかどうかがわかる。日光や土地の環境もわかる場合があるので覚えておくと便利かもしれない。
●葉の輪生するタームが長い(葉があまりついていない):葉が少なく貧弱に見えるのはやはり密生の可能性が少ない。しかし根のほうが葉が少なく、先端にいくに従ってびっしり生えているものは、背の高い競争群生の場合があり、さらに茎が太い場合はこの可能性が高く、魚が付いていることが期待できる。
●葉の輪生するタームが短い(葉が多くついている):これは一見して元気なウイードだとわかる。葉が多いのは日光を受ける競争をしている証拠。密生している可能性が比較的高く釣果も期待できる。
●茎が太い:土地が豊かな場合と、水の流れの強い場合がある。流れがない場所では湧水の可能性も考えられる。要チェック。
●茎が細い:折れそうな柔らかいものはかなり期待できない。硬いものなら葉の多さを見よう。

◇ウイードは資料が少ない
 さて、役にたつなら水草のミニ図鑑でも買いに行こう、なんて街の書店に出てみると、まず図鑑がないことに気付く。さらに大学の図書館などの大きな書庫にも、資料がほとんどない。これはどうしたものか。じつは水中の植物というのは野山の草木と違って、見る楽しみというレジャーになり得ないうえに学術的にも評価が小さいのだ。これは地球の環境にとってどのくらい恐ろしいことか、釣り人ならわかるだろう。いや、釣り人にしかわからないことかもしれないが、政府としては水鳥のすみかとなるアシを守ることに条約は設けても、魚のすみかとなる水草には一文たりとお金もかけられない、ということなのだ(言い過ぎ?)。
 現実の話、世界中の水面下の植生はどこに行ってもほぼ同じ様相を呈している。異常事態ということが分かっていただけるだろうか。大げさに例えるなら、どこの国へいっても森には松と杉しか生えてない、というような話である。これはさまざまな原因で、環境変化に強い様々な植物が持ち込まれ、帰化していったためだ。カナダモのように外国から持ち込まれた種類もいれば、日本やユーラシアから持ち出された植物もいる。そして環境の変化に適応する能力のあるものや、早く大きく育ってしまい、他の植物に被いかぶさって日光を遮断するような強い植物が、ほんの2年ほどのタームでより優位な地位を築いていくのである。そこに生えているはずの、学者の目にすら見えない植物。ルアーに引っかかってくるという簡単な事象だけで、『釣り人はこういうものに目を向けることができる唯一の存在である』ということに、より多くの人に気付いてもらいたい。

◇今後の琵琶湖の水草
 私の読みでは浚渫による水質変化、濁りによる日光の遮断、水位の増減、温暖化と、今後の琵琶湖は大きく変化していくと考える。これに伴い、葉が柔らかく、常緑なうえに環境の変化に強いフサモの仲間がどんどん繁茂していくと思われる。このウイードの特徴は根の方にいくに従って葉が少なくなり、ここがスカスカのシェードになって魚の入りやすい隠れ場となる。また、伏流水や湧水は温度を一定に保つ力があり、夏に低水温となる場所ではヒロハノエビモやコカナダモの丈夫なものが、冬に高水温の場所ではオオカナダモがそれぞれ繁茂しやすい。今後有力なエリアとして、個人的に注目している。また、マツモという根を持たない浮遊型の植物は水質変化に強いのだが、拍出酸素量が特に多い。サイズや硬さなどが生育環境によって著しく変化するので、今のうちにこの変化と釣果の関係を覚えれば、将来の富栄養貧酸素化した琵琶湖で大きく釣果に貢献するのではないかと考えている。



クロモ、コカナダモ、オオカナダモの見分け方
一見似ているようでじつは違う生態、という覚えて便利なこの三兄弟、簡単な見分け方がある。まずコカナダモ。こちらは3輪生と言って、茎から3枚づつの葉が出ている。葉は反り返る場合が多い。低水温や湧水へ直結していることが多いから見逃せない。次にクロモ。これは葉の端が大きくギザギザしている。夏場は普通に見られるウイードだ。これらの条件に当てはまらなければオオカナダモだ。これが生えている場所は冬の水温も一定の場合が多い。



今回登場のウイード(写真はフィルムカメラにより撮影していたため割愛/種類気になる人は画像検索してください)
クロモ<Hydrilla verticillata>トチカガミ科
コカナダモ<Elodea nuttallii>トチカガミ科
オオカナダモ<Egeria densa>トチカガミ科
ホザキノフサモ<Myriophyllum spicatum>アリノトウグサ科
マツモ<Ceratophyllum demersum>マツモ科
ヒロハノエビモ<potamogeton perfoliatus>ヒルムシロ科

2017年1月6日金曜日

BW誌・連載前(2001年8月)原稿

 2014年3月26日発売号(2014年5月号・通巻214号)をもって休刊した、バスワールド誌(えい出版)での連載。
 ここでの連載は何種類かありましたが、最初の連載は2001年8月に執筆した(2001年10月号)、アカデミックレイク。最初は連載ではなかったのですが、シーバスや釣り新聞などでの露出で業界全体的に人気がうっすら上昇し、急遽連載に。


 連載開始当時まだSFNews誌のFISHMAN社に記者として所属して居ながら、ロドリ、ルアマガ、シーバスマガジンなど他誌にも出演、執筆等を許された、極めてイカレた存在だったと思います。この頃が独立の準備をしていた時期ですね。
 ちなみにめっちゃ大事な話ですが、この独立前にSIN-ZOベイトが発売され、ロイヤリティの半分をFISHMAN社の後継育成に充ててもらい、残りの半分で会社が設立された形になります。起業は当時の有限会社ですから、それを設立するくらいの同額のお金を古巣に御礼として置いて行ったことになります。金額を置いていく必要はないけれど、今自身が存在できる業界で育ててもらった、ということはそれ相応の恩返しも必要だと思います。起業前後はかなりの貧しい生活になりましたが、その金額に関しては今でも全く苦にはしてません。周りに迷惑をかけましたが、その恩はまたTULALA以降、少しずつ返していってるという現在。まあつまり、一業界の狭い中で立ち回る基準点はそこ、古巣への恩返しをしているかどうかにある、と常日頃思っています。

バスワールド原稿

 所属して居たSFN萱間編集長の「バンバン書いて暴れてこい!」というお言葉をいただき、また、他誌編集部からの「是非書いて欲しい」という謎のご要望。プロフ欄に所属はあくまでFishmanにある、と書く条件。さらには掟破りのまさかの連載から、独立して文筆だけで当時はどう贔屓目に見ても日本一の月刊誌面連載数保持者へ無意味に上り詰める…という、不思議な暗躍を果たしておりました。
 今はもう書くような仕事はしていないですが、当時興した会社で今もなんやらかんやら作っています。萱間スピリッツです。感謝。


アカデミックレイク 連載前原稿
小川健太郎流・夏の終わり〜秋にかけての戦略
「ビッグバスと初秋の出会い 特集号」

early autumn color pattern
色で食欲の秋を刺激する。

リード:
バスがもっとも食欲に直結した行動をとる季節、初秋。ルアーに体して口を使いやすくなる、盆明けからターンオーバーの始まるまでのこの期間、色による食性を利用したちょっと変わったバスの狙い方を紹介したい。池原編ではフロリダラージマウスバス(以下フロリダバス)、池・川編ではノーザンラージマウスバス(以下、ノーザン)へのアプローチをそれぞれ公開する。

小川健太郎(おがわ・けんたろう)
株式会社FISHMAN所属。ヤーガラポップ、ビッグバド、アイマ、SIN-ZOベイト…。これらのルアーを駆使し「思い付きイッパツ」でビッグバスを釣る男。純粋にデカバスを狙ってはいるのだが、教科書どおりに釣ること以外での、<毎日が非日常的な釣り>しか考えたくない、という独自の脳ミソを持つ。ほとんど初秋というこの季節にしかバスフィッシングをしない。大学で水産漁場学を専攻したが、現在は進路を大幅に変更して勉強中。興味のある奇特な方は『http://ogaken.org』までアクセス。

◆色についての基本的なおはなし
 小川式カラー学講座基礎編
まず、簡単に釣りの「色」についての知識の説明をしよう

A.色はあくまで二番目
 バスにルアーを気付かせるために必要な順番を作るとするなら、振動/音という波を感知する感覚である触覚/聴覚による「認知」。これがあくまでも一番重要だ。色やシルエットによる視覚のアピールは通常、二番目の「確認」動作にすぎない。また、匂い、味などの化学物質の判別という感覚である、嗅覚/味覚はその内容物に応じて一番にも逃げられる対象にもなりうる。どんなにイイカラーのルアーであっても、動きそのものがよくなかったり、おかしなニオイがあれば「釣れない」ということにつながってしまう。ルアーチョイス時にはまず見た目より動き/音を優先させて欲しい。

B.バスに色は、見えている。
 我々が見ているとおりかどうかは別として、バスには色が見えている。例えばバスを入れた水槽の背景を赤、緑、なにもしない、の3パターンに交換して、バイオテレメトリーの手法を用いて魚の心拍数を測定すると、なにもしない状態に対して、赤では急激に拍数が上昇し、緑の背景では拍数が落ち着く。こういった実験などから白黒のコントラストはもちろん色彩などもかなり細かく違いがわかることがいえる。

C.色選びは目線から。
 店頭に並ぶルアーの色を見てそのまま、アピールカラー、こっちは地味、と決めつける最近の傾向は、あまりよくないと感じる。なぜなら底をズル引きする場合やルアーを泳層にあわせる場合を除いて、バスは下から食いあげる場合が多い。このとき見えている色というのは、我々の見る店頭での目線の色と大きく異なるものがほとんどだからだ。

●白はナチュラルでもある
 魚の色を考えてみよう。背中は暗色、お腹は白というのが一般的な魚だ。これは実は理想的な保護色である。なぜなら鳥から狙われる背中には水(または底)の色、フィッシュイータ−から狙われる腹側には水面に同化するべく白がほどこされているのだ。つまり、下からバスを食わせるルアーなら白はナチュラルカラーに相当する、ということがいえる。我々が派手だと感じるのは、人間が目線より下でルアーを判断するからなのである。

●ベイトフィッシュも透かして見よう
 マッチザベイトを考えるのであれば、やはりベイトを魚の視点から見てみることも重要である。機会があれば水中に潜って上を通過する魚を見てみよう。案外白が目立たないことや、赤という色が消失する水深が目線次第で変わっていることがわかる。これは人間の目線でしか見ていなかった方には大きな衝撃につながるかもしれない。

D.4つの視覚軸を理解する。
 ルアーの色を考える場合、「屈折と反射/白と黒/赤と緑/金と銀」というこの4つの軸を頭に入れておくとよいと思う。

●屈折と反射
 屈折は透過という言葉に置き換えることもできるが、生命感を「光の屈折、反射」で演出するならその具合をみる、ということ。たとえば「モエビは透けて見えるのでクリアカラーをチョイス」といったようなことから、「真っ暗闇などではメッキカラーを使うと反射光が強すぎ、恐怖信号になる場合があり、ホログラムやパールなどに換える必要がある」といったような場合まで、その応用範囲は多岐に渡る。

●白と黒
 先ほど述べたように白と黒は目線によってアピール度がまったく変わってくる。「ソリッドブラックでヒット」などの情報があった場合、ルアーの種類やリグからそのルアーのレンジと魚のレンジを予測しておくとよい。例えばもしそれが、水面での黒で釣れていたなら、これはアピールカラー、つまり高活性であった場合が想定されるのだ。

●赤と緑
 赤と緑による釣果の差は、じつは魚の習性に大きく関わっている。簡単にいうならば、「赤に食性を示すのは回遊型」「緑は居着き型」である。例えば日本でフロリダバスが混在する湖では、フロリダバスが回遊、ノーザンが居着くことで棲み分けている場合がある。こういった条件では、メインディッシュとなるエサが回遊=脊椎動物食、居着き=無脊椎動物食となるため、それぞれの視覚的な嗜好色が偏ってくるのだ。これは魚の実験でもよく知られている。ウォーターメロンがノーザンに効くといわれている理由も案外こういうことかもしれない。

●金と銀
 反射のクロムカラーなかでも特にルアーカラーによく用いられるのが金と銀だ。使い分けについてはいろいろ言われているが、日光の照射量との関係が大きい。日光が横から射すときや曇りの時は金が強く光る。また、晴天の直射日光が当たる条件下では銀が強く光る。これは光の性質であり、この照射量によってアピールするカラーが変わる。ちなみにわたしは淡水の釣り全般を通して朝晩は金、昼間は銀を多用する(外洋はすべて銀)。すっかり暗くなると、この反射は恐怖信号に変わる可能性があるのでクロムカラー自体の使用をやめる。


〜〜〜〜〜〜〜〜本編〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆その1池原編
タイトル:池原の朝は「赤」が一番エキサイティングなゲームを約束する



●フロリダバスという魚
 池原ダムというと現在ノーシンカー・スティックベイトの水平フォール、ダウンショット、またはビッグスイムベイトが定番で、プラグにはあまり焦点があたらない。トップウォーターに関してはなおさら情報が少ない。私の場合、あまりソフトベイトが得意ではないので、こういった繊細な釣りにはなかなか精神が保てない。そこで「プラグをドカーンと放り投げて適当に動かすだけでビッグバスを釣る方法」を探るべく、ターゲットをフロリダバスに絞って、アメリカの論文や実験などからさまざまな情報を集めた。
 その結果、当時自分のやっていた実験である、心拍数、遊泳速度などの情報を遠隔測定するバイオテレメトリーという手法を用いた実験から「フロリダバスは遊泳性が強く、朝に捕食活動を集中して行う」という重要なヒントを得た。当時池原ダムのフロリダバスは従来の日本のノーザンの釣りをそのまま当てはめていることが多く、この時期日中に捕食のピークの来るノーザンを狙う釣りかたでは狙いきれていないフロリダバスがいるのだ。「朝の回遊の群れ」である。夜があける前から観察すると、この群れは暗いうちから群れを形成して回遊している。群れの形態としては非常に結びつきが弱く、ただ捕食という目的が一致して成立した群れであるため、大きさが均一に揃っておらず、わりとだらだらと小魚を追い回している。ただし群れというかたまりには必ず社会性が存在しており、大きさの段階によって小魚を追う順番が出てくる。自分が見た群れはだいたい、まず先頭には40cmクラスのレギュラーサイズ、その次に70cmクラスが2、3尾、そのうしろに60cm、50cm、再び40cm、30cmと20cmの混合といった具合に続く。この先頭のバスは好奇心が強いので群れのファッションリーダー的、毒味役的な存在、すなわちスイッチを支配するチャレンジャーとなり、その直後に続く大型バス達に常に見られているということになる。

●朝の回遊バスを狙う「赤」
 2年前の初秋、これらのことを念頭に入れ、「朝だから見やすい」という理由で取りあえずオレンジに近い赤(ホットレッド)のヤーガラポップを岸から放っていた。小魚が跳ね、群れが来たかと思うと突如「ゴボゥッ」と直径1mほどの波紋が起き、シイラ用のロッドが引き込まれた。下へ下へと締め込む引きだ。上がってきたのは見たこともないサイズのバスであった。当然片手では簡単に上がらないのでぐっと引きずって、メジャー代わりに竿を当てる。突然暴れ、押さえ切れなくなって逃がしたのだが、竿で測っていたものを戻ってメジャーで見ると74cmを簡単に超えている。その後、もちろんハマって通い、結局11月までに68cm、71cm、ほか多数の50cm台と同じような釣り方で釣り上げたのだが、ほとんどの魚に赤が絡んだ。赤以外で釣れたのは心臓リグで釣ったものだけ、という結果だった。
 回遊する魚には赤が効く、という説がある。これは基本的に回遊時のエサが脊椎動物であるため、形成成分である血液のヘモグロビンの色に嗜好を示す、というものである。この当時よく不透過の赤を投げていたのは、実は朝日という横から射すの光の反射効率と、距離感をつかませてフッキング率を向上させることを考えてのものであったが、こういった説を考えると、フロリダバスの習性となんらかの関連性をもっているということが考えられる。また、日本のルアーシーンに赤があまり登場しなかったことでプレッシャーも低かったのかもしれないが、いずれにせよいまだ赤いルアーで簡単に釣れるところを見ると、習性にかかわる部分が大きいようだ。

●日が昇ってからの「赤」
 日が昇ってからの赤は、日光が上から照射されるため、クリアーのレッドを使用する。もしくは反射カラーとして、ホイルベースののクロムレッドを使いたいが、この色のルアーを現在店頭で見ることはほとんどない。このためキャスティークのメーカーであるフィッシュアローから発売予定のジョイントスイムベイト、モンスタージャックのカラーにこのクロムレッドという色をなかば無理矢理お願いしてみたのでぜひとも一度見ていただきたい。
 シチュエーションとしては流れ込みがメインであるが、ときには水位次第でバックウォーターに入って使用する。いずれもキーとなるファクターは日光の照射、2m以浅の浅場、そして低水温(溶存酸素量)である。他の場所ではバスが深場についてしまうので釣りにくくなる。



欄外:(写真+キャプション)
●レッドには実は2種類ある!!
 店頭で見かけるソリッドレッドといわれるカラー、じつは全然違う色で2種類あるのだ。一つは透かして見てもまさに赤いレッドだが、もう一つは透かすと紫っぽく青みを帯びるマジェンタ(magenta)という色。マジェンタは赤としての効果(距離感によるフッキング率の向上)は少し薄れるが、濁りの中や深場でも効果がある。

●早朝のバックウォーター
 早朝のバックウォーターでは流れに対して逆引きでシイラ用などの大型のポッパーやノイジーが楽しめる。夏の終わりはノイジーを多用し、秋が深まるにつれポッパー〜ペンシルに変遷してゆく。スーパーシャッドラップもこの使い方でよく釣れる。モーグルペンシルは押さえとして多用しているのだが、フロリダバスに効く。

●昼のバックウォーター
 昼は淵をうろうろしているバスが多い。サイズは小さいものの、小魚はもちろん、虫なども補食しているため、様々なルアーで管理釣り場のような釣りが楽しめる。取材時は小魚を追っていたため、ソリッドレッドへの反応がよかった。オキテ破りのSIN-ZOベイトのワッキーリグ。超浅場でトウィッチ。横にスライドさせて食わせた。

●岩場の陸っぱりはフローティングベストで
 写真のような岩場で陸っぱりするときはフローティングベストで身軽に釣りをしたい。足場が崩れたり、落石があった場合、迷わず沖へ飛び込むためだ。へたに踏ん張ると大怪我をしかねないので、最初から泳ぐ気で釣りしておこう。

●岩場のタックル
 ほとんどの池原の岸釣りは岩&立ち木のある地帯が多い。パワーファイトになることを考えて、小回りの効くタックルを組むほうがよい。
使用タックル
ロッド:ufmウエダ ドルフィントウィッチャー・ボロン PPS-60ML-T
リール:ケンクラフト ゼスターMX3000
ライン:クレハ リバージトラウト16lb(リーダーは状況に応じて6号〜8号のフロロ使用)

●遠投のタックル
 バックウォーターからダムへ向かってのキャストや写真のようなスロープなどからのボイル撃ち等、ロングキャストには躊躇なくロングロッドを使用。バスロッドの規格はボートのトーナメントに合わせたものなので、こういう釣りには使い慣れたシーバスロッドを使うのも一つの考え方だと思う。
使用タックル
ロッド:ufmウエダ ソルティープラッガーTi SPS-862-Ti
リール:ケンクラフト ゼスターMX2000
ライン:クレハ リバージバス 8lb(リーダーは状況に応じて4号〜6号のフロロ使用)

●移動の方法
 通常、ロープで降りたり、自動車&折り畳み自転車を用いておかっぱりポイントを回る。今回は池原ランカーハンターのなかでもっとも私が信頼を寄せている、呉行修さんと一緒にボートでいつも岸釣りするエリアを回った。
 レンタルボートはY企画(★★★★電話番号★★★★)を利用。昇降場以外にレンタルもやっており、荷物の上げ下ろしは専用の機械、そしてトイレ等の設備も一新し、使いやすくなった。


◆その2池・川編
ルアーのカラーは「白」を使いこなす。

●デカバスと白の関係
 結論を言うと「なぜかよくわからない」のだが、池や川など、よくあるような釣り場において、夏の終わりから秋にかけて白いワームで大型のバスがよく釣れる。私の中での50オーバーのデカバスに関しての実績は一番大きい。どれも2m以浅(池だと水面から50cmほど)で下から食ってくることから、どうやら白というカラーがアピールしているということではなさそうだ。白という色は下から見るとナチュラルでぼんやりとシルエットが膨張し、やや大きく見える傾向がある。また、釣れるワームタイプもちょっと太めのグラブ、4インチのリングワームなどがダントツであったことを考えても、食欲に伴う「ボリューム」がある程度のキーになっていると思われる。もうひとつ、下から食ってくるという部分でノーザンという「居着き」の魚の習性というものが考えられる。たとえば、イワナ、ブラウントラウトのような岩影に身を潜めるようなタイプは異常に白に反応を示す。同様に緑にも強く反応はするのだが、大きい個体ほど白への反応は強くなる。鮭やマスも同様の興奮を赤、オレンジ、ピンクで反応することから「身の色」に対する興奮ではないかと感じているのだが、実は研究室で個人的にこれについて何度か実験を試みたものの、たいした考察が得られなかった。今後もこの考察は続けていきたい。

●白のカラーの使い分け
 夏の終わりから秋にかけて効く、と書いたが、白のカラーには効く色というものが存在する。まず一つは「赤パール」といわれている赤〜ピンクに光るパールが入っている白で、これが夏の終わりから9月中旬までにとにかく強い。9月に入ってからは「とにかく真っ白」な白、もしくは「ホワイトパール」といわれるような白く光るパールが入る程度の純白が安定しており、10月に入る頃から「アイボリー(象牙色)」といわれる、ちょっと焼けたような白がフィーバーしてくれる。ちなみにこのアイボリーは見た目が悪いからか、通常のホワイトではラインナップされていないので、ルートビア−やパンプキン系のカラーのワームが入っていた袋などに白ワームを漬けて作ったりしていた。ちなみに、ブルーパールを用いた白は綺麗でよく売られているが、コンスタントにでかいバスが釣れるわけではないので、春など、別の季節に用いるようにしている。

●白が効くシチュエーション
 まず先述したとおり、食ってくるラインはほとんど浅い。水深があるところでもゴミの下、ストラクチャ−など、バスが水面下すぐのラインについているものを狙うとよい。時間帯は朝夕のマズメ時が多いのだが、とくに9月後半から10月は夕方によく釣れる傾向がみられる。これはバスという魚の生態上の捕食時間の移行というものが作用しているが、これについての詳細はまたどこかで。ちなみに8月の末から9月中旬は朝によく釣れている。この場合、主に水性植物から落ちてくる格好で使用するとよいようだ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜写真キャプション〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

●必殺エビ! スライディングシュリンプ
このワームは顔側にフックをセットするという変わったルアーだ。ノーシンカーで投げると着水点よりお尻側にスライドフォールを始める。しゃくってまた落とすとまた向こうに行く、というヨーヨーフォールのような動きが得意だ。アシ際にこの白をよく使う。ボディのボリュームも満点だ。